現世(うつしよ)の向こうから@小説ブログ

Web小説やネトゲの話、副業の話などなど

【15】Chapter 1.0 - 14

「ヨードルを匿っているギルドっていうのはあんたたちかい?困るねェ、うちの『要』を勝手に拉致監禁しちゃあ…おかげでうちは商売上がったりさ」 豪華なコートを着た魔法職系の男が両手を大げさに広げ、下卑た表情で言い放った。 「ふ、、拉致監禁したのはお…

【14】Chapter 1.0 - 13

「ちいな…!」 「た、タビちゃん……」 そこには数日前、俺がログアウト組になる直前に別れたちいながいた。 ちいな……向こうの世界での『茅原(ちはら) 怜奈(れいな)』は俺の幼馴染…とまでは行かないけど、中一の時から同じクラスで、高校も一緒のところに進学…

【13】Chapter 1.0 - 12

(…さて、狩りで取った素材をマーケットに流しに行こうかな) 私はお会計を済ませるために席を立った時。 さっきカウンター席で何やら書き物をしていた、、確かヨードルという店のスタッフらしき男が、二人の男と口論になっていることに気付いた。 【13】Chapt…

【12】Chapter 1.0 - 11

(あの赤い髪、、間違いないわ。前から問題になってる、狩場占有のために他プレイヤーへのPKを繰り返す奴ら…!) 私はちらりと自分の強化効果(バフ)の情報を見る。限界まで上積み(スタック)した<狂気昂揚(インサニティ・エンハンス)>の残り効果時間は30秒を切…

【11】Chapter 1.0 - 10

「ち、ちいな姐サマ、本当に行くのかイ?」 ファルシュトゥレイムベルンハルドオスカル(長いので、私はオスカルと呼ぶことにした)は、情けない声で私に問いかけた。姐サマなどと、すでに私の舎弟でもあるかのような呼び方をしている。そういえば、どことなく…

【10】Chapter 1.0 - 9

私はあの日、タビちゃんと別れて狩りの野良パーティー募集に単身飛び込んでいった。 基本的にソロプレイヤーの私が参加するのは、同じソロプレイヤーが集まる野良パーティー募集が多い。もしくはフレンド同士で固めた身内パーティーの補充要員的な募集だ。 …

【9】Chapter 1.0 - 8

NPCが運営している冒険者ギルドとは違って、冒険者の、冒険者による冒険者のための冒険者ギルドという触れ込みでカフェが作られたのは、前々から小耳に挟んでいた。 苔むした茶色のレンガ造りをした、三階建ての建物。外には木製の囲いの中に設置された、…

【8】Chapter 1.0 - 7

(な、なんだ!…なにが起こった!?……助っ人か?) チノンたちが戦っていたゴリラはすでにそのHPを二割まで減らし、ジスレーヌの単体火属性魔法<フレイムアロー>、ジュードの<空踵打(くうしょうだ)>によって止めを刺されていた。 半ば死を覚悟し、無我夢中でチ…

【7】Chapter 1.0 - 6

≪療術使い≫の基本回復スキル、<応急療法(ファストエイド)>の詠唱時間はおよそ二秒。詠唱完了後の再使用には、更に二秒の再使用不可時間(リキャストタイム)が設定されている。 詠唱が終わると、チノンの周りを優しい緑のオーラが包み、チノンのHPが回復してい…

やっと日本に到着。

最初のインスタンスダンジョン「セイレーン海」を二日前に開放したっきり攻略していなかった私。ログインした瞬間にフレンドが私のお手伝いを募集し始めて、なんなくクリア。ありがたいことだ・・・。 はやくメインクエを進めなさいと言われている気がするの…

【6】Chapter 1.0 - 5

タビトが≪猫と蜂蜜(キャットアンドハニー)≫に加入してから数日。 ソウルズ・ワンダーリングでレベルを上げる方法は、何も戦闘だけではない。 クエスト報酬はもちろん、生産系スキルを使うことでも若干の経験値が得られるため、それで細々と経験値を稼ぎ、ジ…

【5】Chapter 1.0 - 4

ソウルズの生産スキルは、革細工、裁縫、調理、栽培、鍛冶、彫金、変換、調合など多岐に渡る。 もちろん自分でスキルを高めて生産するのが本道であるが、NPCを雇用し、NPCのスキルに応じた生産をさせるやり方もある。そうすれば、日ごろレベリングなど…

【4】Chapter 1.0 - 3

リンネの街の西通りにあるカフェテラス≪Rainwater(レインウォーター)≫は、苔むした茶色のレンガ造りの建物に、『向こうの世界』にあるオープンカフェのような造りと、屋内にはテーブル席、カウンター席や、クエストの掲示板、スキル案内所が設置されていた。…

【3】Chapter 1.0 - 2

タビトがこの世界で自分なりに生きていく決意をしてから、二時間ほどが経った。 (……?そういや、他のプレイヤーはどうなんだ。ソウルズに閉じ込められたのは、俺だけなのかな?……ちいなは?) 周囲を見渡す。このあたりはNPCだけではなくプレイヤーの往来…

【2】Chapter 1.0 - 1

黒い空間。 自分の部屋にいるはずなのに、目を開けても目の前は真っ暗、光一つない、真の闇だ。 俺の目が見えなくなったのか、それとも本当に闇の中にいるのか、分からない。 ついさっきログアウトボタンを押し、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を頭から…